当院では、
歯科治療に力を入れています。2022年6月より、マイクロスコープを導入しました。
歯科治療とは
犬や猫にも、人間と同じような口腔内のトラブルがあり、いろいろな症例が報告されています。口腔内の状態がわるいと、内臓や脳、関節などにも影響を及ぼし、体全体のバランスが崩れていくため、健康な歯を保つことはとても重要です。
歯科治療において一番大切なのは、歯磨きをして普段から予防に努めることです。歯の病気は、残念ながら自然治癒することがありません。定期的な歯科検診を行い、歯石がある場合は早めに除去をして、歯周炎症状の進行を防ぎます。
歯周病の危険性
歯周病は、高齢の犬や猫に発生しやすい歯の病気です。食べ物や唾液が歯に蓄積して歯垢(プラーク)となり、放置しておくと硬い歯石となって歯肉炎を引き起こします。炎症が歯肉から歯槽骨や歯根膜に広がった状態が歯周炎と呼ばれます。
歯周病の怖さは、気づかないうちに進行していくことです。動物は歯の痛みを表現することが少なく、臨床症状がわかりにくいため、そのまま症状が進んで悪化すると、歯根周囲に膿が溜まったり、骨が溶けて歯が抜け落ちたりアゴが骨折したりすることもあります。
歯垢や歯石の表面は細菌の塊です。歯周病から歯性感染症に移行したり、重要な臓器に影響を及ぼす可能性もあり、日頃から適切なケアが必要です。
予防に関して
ベストな予防法は歯磨きです。
一番よいのは、歯ブラシで磨くこと。次にデンタルシートなどを使って歯を磨くこと。3つめが指で触らせてもらうことです。
口腔内を清潔に保つために、補助的にデンタルペーストなどを利用するのもよいでしょう。
当院の歯科治療へのこだわり
1安全で正確な検査をします。
当院では安全で正確な診療をするために、身体検査をした上で全身麻酔を施し、ワンちゃんやネコちゃんが不安や痛みを感じない状態で検査をしています。
口腔内にフィルムを入れ、1本1本の歯をレントゲンで丁寧に撮影し、プロービング等も行い歯の状態を正確に把握します。
検査は10~20分程度で終わります。
2治療は緻密かつ迅速に行います。
検査の結果に基づいてカルテを作成し、麻酔をした安全な状態で治療をしています。
治療はマイクロスコープ(手術用顕微鏡)や歯科用ユニット等を用いて、効率よくかつ正確に進めていきます。
歯周病の場合は、段階に応じた治療をしています。
初期は、歯垢(プラーク)を除去して歯肉炎を和らげ、歯肉にペーストを塗り込むと比較的症状が緩和していきます。症状が進行している場合は、レントゲンを撮って必要な処置を判断します。
歯冠修復や歯内治療等も行っております。
3飼い主様と共に予防に努めます。
予防法は口頭での説明だけでなく、できるだけ実際にやり方をお見せして、飼い主様が自宅でできるように指導しています。
最初は「マズルコントロール」と呼ばれる、鼻先を手で包み込むことから始めます。鼻先を持ってもじっとしていることができるようになったら、十分に褒めてあげましょう。このような練習を小さいときから根気よく行い、十分に慣れさせていくことが大切です。
次に、口は閉じたままでも構いませんから、口に指を入れて歯の表面を触れるようにします。そして徐々に、触れられる範囲を広げていきます。
さらに、デンタルシートや歯ブラシが使えるようにしていきます。
ポイントは『嫌がり始める前に褒める』です。
こんなときはご来院を
- 口臭がきつい
- 口を痛がる
- よだれがひどい(ネコちゃん)
- 食べ物をポロポロこぼす
- 食欲がなくなった
※特に目立った症状がなくても、歯科治療は予防が肝心です。お口の健康が気になる飼い主様はご相談ください。